本間美紀です。10年以上ぶりくらいにパリの見本市「メゾン・エ・オブジェ パルス」に飛ぶことになりました。9月10日から14日までの開催です。。
「メゾン・エ・オブジェ(以下M&O)」はその名の通り、住まい(メゾン)をめぐるさまざまなオブジェが集まるライフスタイルとデザインの見本市で1995年から1月と9月に開催されています。2026年から9月は「メゾン・エ・オブジェ パルス」、1月は「メゾン・エ・オブジェ プルミエール」と、年2回の開催回の性格を明確に分け始めたのが大きな変化と言えます。

イタリアのミラノサローネ国際家具見本市ほど家具、建築寄りではなく、ドイツ・フランクフルトのアンビエンテ国際消費財見本市よりは家具、インテリアを重視した位置付けとなります。

「生活芸術(アール・ド_ヴィーヴル)」の土台がある国なので、インテリアデコレーションは特に強く、カーテンやテーブルリネンなどの布類、アート、食器からカトラリーまで食卓を飾るさまざまなものがそろいます。

そして今年、私がM&O招かれた理由はゾーン「クック&シェア」、料理して分かち合うというインテリア、食のゾーンのコンセプトが一新されるからです。これは年に1月と9月に開催されるメゾンでも、9月に特化した企画になるそうです。

イタリアのミラノサローネやデンマークの3デイズ・オブ・デザインに押されて、最近はやや印象が弱かったM&Oですが、2026年の9月回は4ホール7つのセクターを明確に設定。さらに会場外のパリの街全体も取材、買付、視察の対象としてパリ・デザイン・ウィーク(9月10〜19日)と連動します。
全体を貫くテーマは 「Pulse in Motion」=デザインを、人をつなぎ、行動を生み、未来を動かすエネルギーとして捉えることです。メイン会場を手がけるのはスペイン・バレンシア出身のMasquespacio(マスケスパシオ)。コロンビア人とベルギー人のペアを中心としたユニットで、強い色彩や幾何学的なフォルム、大胆な空間構成で知られています。

M&O会場の7つのセクターは以下の通り。ファッションやフレグランスまでが一つのゾーンになっているのがフランスらしく、他の見本市ではあまりみられないセグメントです。
Cook & Share/Decor & Design/Fine Craft – métiers d’art/Wellness & Beauty/Fragrance & Ambiance/Fashion & Accessories/Gift & Play


・新ゾーン「クック&シェア」のキュレーションを指揮するのは?
料理とインテリアを結ぶエリアを指揮するのは、フランス・アルル出身のSarah Espeute(サラ・エスペウト)。グラフィックデザイナー出身で、現在は刺繍作家として活躍しています。代表作は、リネンのテーブルクロスやナプキンなどに、皿、カトラリー、グラス、野菜、料理などを線画のように刺繍したトロンプルイユ(だまし絵)です。

トロンプルイユはフランスの伝統的な内装装飾の手法です。「古い刺繍を見ることで、懐かしい何かを思い出せる効果を感じました。刺繍の糸もグラフィックの線も私にとっては同じ表現方法」と話します。

従来のキッチン、テーブルウェア展示なら、調理機能、器、道具、商品性が中心になりがちです。M&Oは彼女を通して、食を「何を作るか」から「誰と、どんな時間や記憶を共有するか」へ広げようとしているように見えます。

どんな食卓芸術を見せてくれるのか、楽しみです。
・パリの街では9月19日までパリ・デザイン・ウィークを開催。
オテル・ド・シュリー、ブールデル美術館、凱旋門で歴史的建築×現代デザインのインスタレーションが予定されています。

さらに500組の参加者が320会場がパリ市内4つの主要デザイン地区で様々なイベントを繰り広げます。カッシーナなどミラノでもお目見えのフランス国外ブランドの参加もあり、国際性を増したイベントとなりそうです。

メゾン・エ・オブジェの2026年9月展は「1,700ブランドが集まる巨大見本市」だけではなく、“今のデザインをどう編集して見せるか”にM&Oが力を入れているようです。来年1月に開催のM&Oプレステージとの性格の違いも集客や見どころの違いになりそうです。

それでは9月10日より行ってきますね!
メゾン・エ・オブジェ Maison&Objet – September 2026
会期:2026年9月10日(木)〜14日(月)
会場:パリ・ノール・ヴィルパント見本市会場
出展ブランド:約1,700ブランド
参加国:49カ国
新規出展ブランド:約450ブランド
パリ・デザイン・ウィークの主要4地区
Rive Gauche / Marais–Bastille–République / Opéra–Concorde–Étoile / Palais-Royal–Place des Victoires–Pigalle