1
Milano Quick Info 03
ミラノサローネ&MDW 前情報03
●詩的で哲学的なヨーロッパ映画
インテリア出身のアイリーンが恋人の建築家の力を借りて作ったヴィラの壁に、コルビジェがアヴァンギャルドな絵画を描いてその世界観を崩していくというエピソードが骨組みなのですが、ここに至る経緯を彼らに関わる様々な人物をパラレルに描写して紡いでいます。わかりにくいけど感性に訴えてくる!ああヨーロッパ映画だなあ、というかなりコンセプチュアルな映画です。ハリウッド映画のようなわかりやすさを期待する人は、予習が必要ですよ。とにかく哲学的で詩的な映画です。マルグリット・デュラスのような表現手法を感じます。
ちなみにアイリーン・グレイは当時、いち早く同性愛を表現し、一方でルーマニア人イケメン建築家のの恋人から激しくインスピレーションを受け、恋人やコルビジェから強制される男性優位の社会に反旗を翻しました。建築界のシモーヌ・ド・ヴォーヴォワールのような才気走った女性でした。
●映画を見た直後の私の感想(8月の試写会当時すぐ後の感想なので、そのままの気持ちが出ていますので、ご笑覧ください)
ちなみに原題はThe Price of Desire、この言葉は何度か、セリフの中にで映画の中で繰り返されます。映画の邦題によくあることですが、甘ったるい日本語タイトルに引きずられず、この意味をよく感じていただくのがオススメです。家やキッチンをつくる人は何度もぶつかるテーマでしょう。