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REAL KITCHEN & INTERIOR

リアルキッチンができるまで【前編】
2018.03.02 田中 裕美子(REAL KITCHEN & INTERIOR PR)
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●シーズンによって紙質や仕立てが変わることに意味がある

田中:用紙や表紙についても号によって違うと聞きました。用紙選びや仕上げにおいてアートディレクターとして宮本さんがこだわっているのはどんなところなのでしょうか?

宮本:私が紙を選ぶ際、大切にしているのは2つのことです。まずはテクスチャー(手触り)。もう1つは、印刷の再現性が高いことです。号によって、また1冊の中でも紙は使い分けています。例えば、Season4ではツルツルとしたなめらかな紙とザラザラした質感のある紙の両方を使いました。事例にはなめらかな紙を、ショールームガイド部分はデザインも軽めなので、質感の粗い紙を、という具合に。また、Season5の表紙はとにかく白い紙を探し求めました。そして、当時のトレンドでもあった、背表紙の角が直角に折り曲がる仕様にもこだわりました。

今回のカバー撮影の舞台となったのがジーマティック青山。撮影現場で指示を出す宮本さん

田中:用紙の手触りにもトレンドがあるんですね

宮本:そうなんです。用紙を選ぶ上でもう一つ大事にしているのが、時代を感じて、デザインに取り入れることです。例えば、今はインテリアのテイストがラフになりつつあります。ラフと言っても、カジュアルという意味ではなく、『センスの良いラフさ』とでも言うのでしょうか。現場に立ち会って感じるのは、素材や、素材の持つ経年変化を大事にしている方が多いということ。キッチンや家具がそのラフな雰囲気なのに、高級紙を使うのはミスマッチ。だから、Season6では、この『センスの良いラフさ』に合う紙を探しました。私はいつも本屋で洋書を中心に、紙の傾向をチェックしていますが、今回は厚みがあってラフな白い紙を使いたいと思いました。そしてピンときたのが、スケボーカルチャーの洋書(写真下)で使われていた紙でした。

宮本さんが紙質のヒントにしたという洋書。

本間:印刷の再現性はとても苦労している点です。日本一の製版マンと言われる凸版の金子真一さん(写真)と毎回、5時間以上かけて色校正をしますが、人間の記憶はやはり曖昧なもので、実際どうだったか。自分の思いが先行してしまったり、とても表現の難しい色味があったり、出来上がってからの反省点もたくさんあります。一方でリアルキッチンに出てくる人は、それだけ色や素材感にこだわってキッチンづくりをしていて、キッチンが素材感時代になった今だからこその、悩みかもしれません。大昔なら、ただ「白」とか「木」でよかった頃もありましたからね。

日本一スケジュールをおさえるのが難しい凸版印刷の金子真一さん。

 

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