TABLE & TOOLS
Ingegerd Raman Collection

インゲヤード・ローマンさんのガラス器

2017.06.28 キッチンジャーナリスト 本間美紀

●ありのままの水の姿をデザイン

インタビュー取材に現れたインゲヤード・ローマンさんは、とにかくチャーミング!温かみのある笑顔を絶やさない女性でした。木村硝子店の社長や家族と長年親交があり、時間をかけてお互いのものづくりを理解しあって、1年半前からようやく具体的な開発が始まったそうです。

その着想の元を聞くと「ありのままの水の姿」とインゲヤードさんは話します。「水は人間にとって不可欠なもので、朝食を食べる時もワインを飲むときも必ず水のグラスがある。もっとも大切な水の姿を、食卓で映し出すデザインを考えました」。下が丸くなったり、キュッと細く絞られたり、ふちの注ぎ口の角度など、シンプルでさりげないデザインです。

木村硝子店からインゲヤードさんに伝えたことは「日本ブランドととの仕事だからといって、日本的を意識しないでほしい」ということ。日本の食生活や生活習慣に縛られず、国際的な発想で自由にデザインして、彼女らしさを発揮してもらいたいという思いでした。


木村硝子店は問屋として創業、多くの世界のメーカーや工場とのネットワークを持ちます。自社ブランドのガラス器の製造では、世界中の工場から目的やデザインにかなったところを選ぶそうでです。日本、ヨーロッパの各都市、そしてアジア。今回はハンガリーの工場の技術に出会い、実現に至ったそうです。

繊細すぎるガラス器たち、そのあり方に対して、インゲヤードさんの言葉にはたくさんのヒントがありました。次のページで紹介します。

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